2022年 2月 の投稿一覧

アダムスミス曰く「下層の人々が豊かになってこそ、国は豊かになる」〜モラルが失われた文明社会について〜

「富を持つもの」はその資本を使い、国や役人と結託して法律や規制を自分たちの都合のいいようにかえ、あらゆる意味で「独占」状態に導くように働きかけていきます。

特に1990年代後半以降の日本の環境を見るとこれは明らかです。

それまで共産主義諸国との間で均衡をたもっていた世界情勢が崩れ、資本主義経済一辺倒の経済体制に入るとマネーゲームが加熱し、世界的に拝金主義とも言える様な体制が築かれました。

そしてこのマネーゲームが加速し、投資家や資本家、富裕層に有利な法律に書き換えていくことで世の中のバランスが崩れ人々の間から当たり前のことやそこにあるモラルが薄れていってしまった様に思えるのです※。

つまり富あるものに下層の人々が搾取され、人々の間からモラルが失われ、稼げればなんでもいい、どんな手段を使ってでも財を築いた人が正義であるという考え方が生まれてしまった様に思うのです。

>>>市場が熱狂状態にある場合、詐欺の発生率と複雑性が急激に増す

※もちろんモラルの欠如は、ビジネスの世界ではそれまでもあったけどマネーゲームが加熱してからは当然のこととしてあったモラルが激しく薄れていった印象を受けます。

「金儲けできればどんな手段を使ってもいい」と言ったような論法は側から見ればかっこよくうつるのかもしれませんがはっきり言って迷惑ですし単細胞でダサい主張だと思います。個人的に。

ただ現在のビジネス環境は、金儲けさえできれば基本的になんでもありな風潮があるので、現在のビジネスの現場で戦うということを考えるとあらゆる手段を使わないと戦うことが途端に難しくなります。モラルの欠如はやがてあらゆる階層にも及ぶというのはこれまでの歴史を見れば明らかです。

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Googleアルゴリズムと現在の大企業優遇のシステムについて

人はともすれば、自己の利益を求めて考え、判断し、決断を下します。

それは個人であっても企業であっても同じことです。

そしてこれは商売においても同じことで、商売をする以上、個人でも企業でも自らの市場においてあらゆる手段を尽くして独占状態を目指しますし、時には国や役人と結託して法律を変えてまで、それを貫き通そうとします。

そして、皮肉なことに、歴史を見てみれば、自らの利益を追い求めていった結果、やがて自らの市場がとり尽くされ長い時間をかけて育ったものが瞬く間に破壊されていってしまうのです。

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なぜ不景気になるのか?現在の金融システムの問題点とゴールドスミス・ノートの理論について

話が長くなるので、詳しいことはここでは割愛させていただきますが、実は現在の金融システムは、だれかが借金をすることで、お金が社会に流れる仕組みになっています。

それは人でも企業でも国でも同じことで、「誰かが借金をして金を回す」と言うことが経済活動を行う意味において重要になります。

あまり公にされていることではないし、公にできるようなことでもないのかもしれませんが、ゆえに、だれかが銀行などから、借金をして投資をし続けないと、経済社会が回らないシステムになっているのです。

そして今の金融システムにおいては、不景気は(一つのトリガーとして)借金が返済されたり借金の総量が減った時に生じます。

この辺りはお金を作り出す根本的な理論として「ゴールドスミス・ノートの理論」を調べていただければご理解いただけるかと思います。

現在の金融システムは金を「預かり証」と言う「証書」を発行して預かっていた、金匠と呼ばれる職業の方が思いついたシステムが元になっていると言われており、ゴールドスミス・ノートの理論を理解すれば現代の銀行がお金を作り出し、融資をする仕組みについてご理解いただけるかと思います。

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佐藤浩市「作品は見るけどアドバイスはしない。まだ一人前でないから」

先日Yahooのニュース欄を見ていたら、俳優である佐藤浩市さんの息子さん「寛一郎」さんについての記事が掲載されていました。

>>>佐藤浩市 連ドラ出演中の息子・寛一郎には「アドバイスはしません。まだ一人前ではない」(リンク先はソース元のスポーツ報知)

ソース元はスポーツ報知とありましたが、そこで佐藤浩市さんが息子さんに向けてお話ししている姿が非常に印象的で愛のこもった言葉のように感じました。

それはタイトルにもあるように、佐藤浩市さんが寛一郎さんに向けて「作品は見るけどアドバイスはしない。まだ一人前でないから」といっていた言葉に端を発します。

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ヒャルマール・シャハトの経済思想について「全ての局面において通用する経済政策や法則はない」

ここでドイツの財政家であり経済学者でもあるヒャルマール・シャハト(1877~1970)の経済思想についてもお話ししておこうとおもいます。

シャハトは「自由主義」や「共産主義」に見られる一方の経済法則を如何なる局面においても通用するものとして盲信するべきではなく、その時々の局面に沿って対応していくべきだという立場をとっています。

「経済政策は科学ではない、一つの技術である、だから確固不動の経済方策や不変の経済法則について云々するのは誤りである」

つまりシャハトは「全ての局面において通用する経済法則など存在しない」からこそ、一つの経済理論を盲信したり、それぞれの学派による立場に固執するのではなく、経済政策はその時々の時流を見て柔軟に対応していくべきだと主張しているのです。

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SEOは科学的な側面を持つ技術である

ドイツの経済学者にヒャルマール・シャハト(1877~1970)という人物がいます。

彼は戦前にドイツで起きたハイパーインフレを収束させた実績を持つドイツの財政家なのですが、そんなシャハトは自身の経済理論を次のように述べています。

「経済政策は科学ではない、一つの技術である、だから確固不動の経済方策や不変の経済法則について云々するのは誤りである」

これは昨今の経済状況にだけ当てはまることではなく、あらゆる局面に言えるのではないでしょうか。

確かに科学的なものも存在することは否定しませんが、今の時代多くの人は科学を盲信し過ぎていてそれを科学という枠に無理やり当てはめてしまい、技術として見ることを忘れてしまっているようにおもいます。

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Macで2つのアプリケーションを左右分割して並べて表示する方法

あまり知られていませんが、実はMacでは1つの画面を左右に分割して並べて表示させることができます。

いわゆるOS X El Capitan 以降で搭載された「Sprit View」の機能になりますが、この機能を使えばでそれぞれのアプリケーションのウインドウの大きさを手動で調整することをせずに画面左右に綺麗に並べて表示させることができます。

例えば、左に「Safari」右に「テキストエディット」と言ったような形で、左右分割して並べて表示させれば左側の画面で調べ物をしながら右の画面で執筆作業に集中することができます。

同じような方法にiPadをサブディスプレイとして利用する方法もありますが、わざわざiPadを使うまでもない時などには非常に便利な機能となります。

今回はそんな便利な「Sprit View」の画面表示のさせ方についてシェアしていこうとおもいます。

※iPadをMacのサブディスプレイとして利用する方法(Sidecar)については下記リンク先の記事を参考にしてください。

>>>知らずにいると損をする!iPadをMacのサブディスプレイとして活用する11の方法

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インターステラー「前に進むには何かを追いて行かなければならない」

ついこの間、AmazonのPrime Videoで「インターステラー」という映画を観ていました。

この映画は2014年の公開時に観た記憶があり、映像がとても綺麗でストーリーの内容も当時の私が見ても非常に秀逸だったと記憶していますが、悲しいかな、どんなにいい映画を観ても人は忘れるもので、細かい内容はほとんど覚えていませんでした。

そこでふと思い立ち、映画を見直してみたのですが、やはりその時々によって感じるものは違うもので、以前の私がみた時の映画の感想と今の私がみたときの感想では映画としての着眼点も違っていたし、感想もまた違うものでした(どこがどう違ったのかは長くなり過ぎるので省きます)。

特に、クリストファー・ノーラン監督の作品はそう感じさせる作品が多いようにおもいます。

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トーマス・グレシャム「悪貨は良貨を駆逐する」の経済学的な意味について

私はものの例えとして、現在の状況と照らし合わせて「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉をよく使っていますが、誤解のないように正式な意味もここでお伝えしておこうと思います。

まず「悪貨は良貨を駆逐する」の言葉で有名なトーマス・グレシャム(1519〜1579)はイギリスの財政家で王室の金融代理人を務めた人物です。

グレシャムが生きた時代の政府は国の財政が苦しくなり、以前のように金や銀といった純度の高い貨幣を鋳造することができなくなっていました。

それを、当時はその貨幣不足を金や銀の純度の落ちた貨幣を鋳造することで補い、それを以前の純度の高い貨幣と同じもの、または同等の価値のものとして流通させたのです。

でも普通に考えてみれば同じ価値であるわけがありません。貴金属の純度が落ちたモノを、純度の高いモノと同等の価値として流通させるのには無理があります。

だからその結果、純度の高い良質な貨幣が市場に出回らなくなってしまい純度の落ちた価値の低い貨幣ばかりが市場に出回るようになってしまい純度の高い良質な貨幣はいつの間にか市場から姿を消してしまったのです。

そうした貨幣不足を金属品位の低下した貨幣で補う手法はグレシャムの時代だけではなく、古代ローマから中世ヨーロッパに至るまで何度も行われ、その度に経済社会に何度も混乱をもたらしたというのが大筋の流れとしておさえておきたい部分です。

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