市場が熱狂状態にある場合、詐欺の発生率と複雑性が急激に増す

先日、何気なくAmazonプライムビデオで「マネー・ショート〜華麗なる大逆転〜」という映画を鑑賞していました。

2007年から2010年頃にサブプライムローン証券が引き起こした一連の世界金融危機について扱っている映画になるのですが、例え話などを用いて、サブプライムローン証券がどれだけヤバい金融商品なのかについてわかりやすくまとめられていたように思います。

サブプライムローンによる金融危機は、巷では通称「リーマンショック」として名が知れ渡っている世界的な金融危機です。

要はアメリカで実態のない不動産バブルの金融不安から引き起こされた世界的な金融危機と言っても良いでしょう。

前から気にはなっていたのですが、いざ視聴しようとAmazonプライムビデオに切り替えても、なんだか気が乗らず、先延ばしになってしまっており、ようやく重い腰を上げて視聴した次第です。

結果、面白かった。

投資には疎い私でも十分理解し映画(物語)として楽しめるエンターテイメントに仕上がっていたと思います。

ところでその映画の中で気になる言葉がありました。

それはクリスチャン・ベール演じるマイケル・バーリの言葉です。

市場が加熱すると、詐欺の発生率が増す

物語の冒頭5分も過ぎ、「The Big Short」というタイトルが映し出された直後の映像でクリスチャン・ベール演じるマイケル・バーリは映画の中で下記のように言っていました。

市場が熱狂状態にある場合、詐欺の発生率と複雑性が急激に増す、知ってた?

マイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)

まさしく。

どの業界にも言えますが、市場が加熱しすぎると、本質とはかけ離れた方向に事実がねじ曲げられ、人々はそれが虚構であることに気がつかず、ある一定のところまでいくと飽和状態に陥り、その後それが虚構であることに初めて気が付く。

そして、その不安から一気にバブルが崩壊する。

物事の真理をついた言葉だなぁと思いました。

これはどの業界でも言えることで、人々は熱狂しているときは、その裏に潜む「何か」を掴むことは非常に難しい状態に陥ります。

特に物事が順調に行っている時は、見せかけの数字だけに騙されやすい。

一部の人たちは薄々気がつくものの、周りからの信用や権威のある人物の言葉によって人々は簡単に騙される。

そして大丈夫だ、問題ないとみて思考停止。見て見ぬふりをする。

「マネー・ショート〜華麗なる大逆転劇〜」は、こうした物事の裏側に潜む背景を、映画として面白くそしてある意味で滑稽に描いていた映画だったように思います。

数字は嘘をつくし、簡単に裏切る

ところで、私がまだ青かった20代の頃、私は尊敬できない先輩(笑)から「数字は嘘をつかないし裏切らない、だから数字が好きだ」とごうごうと言われたことがありますが、経験を積んだ今だから言わせてもらいます。

「数字は嘘つくし、簡単に裏切るっしょ!」

笑、笑です。

「事実」と「真実」は違います。

数字はいつの日も事実をそのまま物語る「ノンフィクション」というより、想像力によってねじ曲げられた「フィクション」を演じると考えた方が真実にたどり着きやすい気がします。

それが「何か」を見抜く目は、プロでさえも非常に困難で市場が熱狂状態にある時は、プロでさえも熱狂の影響を受けてしまう。

冷静になって考えればあり得ないことでも「何か」を掴むのは、その道のプロでさえも非常に難しいのです。

そういった意味では冷静になって考えられる素人の方が貴重な意見を持つことができるし、もしかしたら裏に潜む「何か」を掴みやすいのかもしれません。

「エヴァンゲリオン」などの作品で有名な映画監督、庵野秀明さんはドキュメンタリー「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」で「ドキュメンタリーは、あるようで本当はない。結局使えるところだけ切り取る。その時点でドキュメンタリーという名のフィクション」と言いきっていますが、数字も実際は都合の良いところだけを切り取り編集された「フィクション」に近いものとして見る必要があります。

実際はどうとでも操作でき、立場や視点を変えれば良いようにも悪いようにもうつすことができるのです。

ちなみにこの映画のタイトル「マネー・ショート」は邦題で、原題は「The Big Short」だそうな。

字幕版の方がマイケルバーリが言いたいことを伝えている

私は今回頭をからっぽにして視聴したかったので「マネーショート」を日本語吹き替えで視聴しましたが、字幕版だと以下のように日本語訳されていました。

そして、吹き替え版でない字幕版の方が、映画でマイケルバーリが伝えたいことを端的に記しているように思います。

1930年代、住宅市場は全国規模で崩壊した。約80%だ。半数の住宅ローンが焦げ付いた。しかし危機の兆候は、非常に具体的な形で認識できた。危険信号の1つは複雑な金融商品の値上がり、詐欺まがいの相場だ。跳ね上がる。(ここで画面が切り替わる)

マイケル・バーリ

・・・あれ、これ、今現在もどこかで経験している気が。

あ・・・コロナでの株高だ。

戦々恐々です。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*