キーワードに左右されないコンテンツのつくり方

キーワードに左右されないコンテンツをつくるには「周辺のキーワード」に対する深い洞察が必要となります。

「周辺キーワード」のことを「共起語」というのが一般的ですが、私はよく「キーワード周りのキーワード」だったり、「そのキーワードを連想させるワードの塊」、「周辺キーワードの表現」「キーワード周りの文脈」などといった表現をします。

そして私はコンテンツを作成する上である意味「キーワード」よりも頻出する「周辺キーワード」に重きを置いています。

一般的には「キーワード」や「共起語」に重きを置くのに対して、なぜ私は「周辺キーワード」をより大事にするのか?

その理由は「キーワード」に左右されないコンテンツを作成するためであり、もちろんユーザーに選ばれるコンテンツを作成するためです。

今回は「周辺キーワード」を大事にするその理由と「共起語」と「周辺キーワード」との違いなどについて重点的にお話ししていき、キーワードに左右されないコンテンツのつくり方についてお話ししていこうと思います。

周辺のキーワードとは何か?

繰り返しになりますが「共起語」とは「キーワードと合わせて使用される確率が高い単語群」のことを言います。

それに対して、私は表現や文脈などのもっと広い意味を含めて「周辺のキーワード」と言う言葉を使っています。

つまり「共起語」が「キーワードが使われた時に一緒に出現する確率の高い単語」を意味するのに対して、私がいう「周辺のキーワード」では「単語」のみにとどまらず単語周りの「表現」や単語周りの「文脈」などの背後関係まで含めた「包括的なキーワード類(るい)」のことを指していると思ってください。

言葉ではなかなか表現するのが難しいですがキーワードとして表面に現れる言葉よりも、もっと概念的なその奥にある欲求や、表現、文脈のことを「周辺のキーワード」と言っています。

ただしこの「周辺のキーワード」の意味や解釈は私独自のもので、一般的に「周辺キーワード」と言った場合は、いわゆる「共起語」と同じ意味で使われます。

※共起語の使用については、共起語の意味を含めて、下記リンク先に私なりの考えをまとめさせていただいています。

>>>共起語の使用は実はリスクが高い?SEO効果とサイトが飛んでしまうリスクについて

「関連キーワード」や「サジェストワード」との違いは

「周辺キーワード」に対して「関連キーワード」とは、あるキーワードで検索した時に、そのキーワードで検索する人と「関連性の高いキーワード群(ぐん)」のことを指します。

例えば「A」と言うキーワードで検索した人は「A + B」で検索している方が多いとGoogleのAIが判断すれば、「A」と言う単語で検索をかけた時に関連する検索キーワードとして「A + B」と言うように表示されます。

そしてこの関連するキーワードとして表示された「A + B」のことを「サジェストワード」と言い、検索エンジン側が検索ユーザーに対して「Suggest(提案)」している単語群として自動的に表示されます。

つまり「関連キーワード」と「サジェストワード」は、ほぼ同じ意味で用いられることが多く、検索エンジン上で検索した単語と深い関わりを持つキーワードのことを言います。

「関連キーワード」や「サジェストワード」は「共起語」に近い

ここまでみてきた通り、「関連キーワード」「サジェストワード」「共起語」は、もとを辿ればどれも同じような意味を含んでいます。

そのどれもが共通して「単語」であるし「単語」どうしの「組み合わせ」で、一緒に使われることの多い語句です。

「A」と言う単語を使うページ、もしくは「A」と言うキーワードで検索する人の意図は、同時に「B」の情報を含んでいると言うことです。

これらを含めることで現在のGoogleが推奨している情報の「専門性」や情報の「網羅性」を高めることができます。

「関連キーワード」や「サジェストワード」は、あくまで機械的な判断によるもの

しかし、検索窓で検索した際に表示される「関連キーワード」は人的なものではなくあくまで「AI」が判断したものに他なりません。

検索エンジンを使うのはあくまで我々人間で、そこには検索する人の「感情」が伴っていると言うことは忘れてはならないことだと思います。

検索をかけるのは「人」ですが、関連ワードとして表示するように働きかけるのは「AI」だと言った事実を見誤ると、的はずれなコンテンツになってしまいます。

例えば、今私がこの記事を書いている段階では「ニキビ」と検索した人は「ニキビ 治し方」「ニキビ 薬」「ニキビ 潰す」「ニキビ 治らない」「ニキビ 思春期」「ニキビ跡」「ニキビ 場所」「ニキビ 芯」と出てきます。

網羅的に言うと「ニキビの治し方」と言うことになるのでしょう。

検索結果としてはこのように表示されていますが、そこには今現在どういう状況にある人が、どのようなシチュエーションで、その語句を検索しているのかその背景の文脈が含まれていません。

「関連キーワード」や「サジェストワード」では、解釈の部分が見事に削ぎ落とされている

関連キーワードには「ニキビ 治し方」と表示されていますが、実はここには様々な解釈が削ぎ落とされてしまっており同じキーワードで検索していても「ニキビを治してくれる病院」を探しているのかもしれませんし、今すぐ治したいのか、それとも時間はかかっても良いからニキビの出ない体質にしたいのかなどの解釈は無視されてしまっています。

つまり、我々人の感情面が無視されてしまい見事なまでにシンプルな形で、ていよくまとめられてしまっているのです。

「関連キーワード」や「サジェストワード」にはそのようなキーワード周りの余計な部分(情報)は削ぎ落とされて表示されてしまっている問題があります。

そしてその機械的に削ぎ落とされた部分こそが、本来検索する検索ユーザーにとって重要な情報であり、オリジナルなコンテンツを作成する上で必要な情報となります。

「関連キーワード」や「サジェストワード」に頼りすぎると、コンテンツの軸がブレていく

また人それぞれ状況は違いますし、ニキビと言ってもどのようなニキビなのかもそれぞれ違います。

顔なのか、体なのか、腕なのか、はたまたニキビと思われるような吹き出物ができたのか、ニキビに近いものができただけで、検索ユーザーが勝手にニキビと呼んでいるだけなのか。細かい状況はそれぞれ違います。

つまり機械的に表示されている「関連キーワード」や「サジェストワード」には、実はその人の状況や感情などを含んだ「検索意図」は含まれておらず、本来必要となる背景が削ぎ落とされて単なる「単語群」として表示されてしまっているのです。

そしてそれらを想像し、どのような相手にコンテンツを届けたいのか、あなたのお客さんとなる人の感情面を含めてコンテンツと向き合い、あなたのお客さんが欲しい情報を可能な限り届けるように工夫していくのが私たちマーケッターの役割であると感じています。

ビジネス的な視点でコンテンツを作成する際は、いついかなる時も、あなたのお客さんは誰なのかを想像して、そのお客さんに語りかけるように作成していかなくてはなりません。

※それに、パッとみただけで、この関連ワード群を軸にしてコンテンツを作成しても、ビジネス的にみてあなたのお客さんを集客できるようには思えませんし、たいして良いコンテンツにはならないことは目に見えています。良くも悪くも万人受けしたコンテンツにしかならず、たった一人のあなたに刺さるコンテンツにはなりません。ただし、大きな的を狙う戦略であれば話は別です。

関連キーワードに頼ると、みな同じコンテンツになる

さらに、「関連キーワード」でコンテンツを作成する最大の罠は、関連キーワードに頼ると結局は皆同じコンテンツになってしまうということです。

確かに「関連キーワード」はSEO上とても効果的で上位表示を狙うにあたっては優れた文言だと思いますし、実際コンテンツを作成する上で参考にすることはできます。

検索エンジンは「関連キーワード」を含むコンテンツの価値が高いと解釈しているわけですから、一時的に、検索エンジン上で上位に表示されやすい傾向にはあります。

※検索エンジンは検索ユーザーに価値の高いコンテンツを表示するように働きかける傾向があります。関連キーワードは共起語とほぼ同義であり、共起語の利用はGoogleのアルゴリズムでSEO上評価を上げやすくなると言われています。

けれども、関連キーワードにたよった記事は、どことなく皆どれも同じ内容になってしまうので、戦略上あまり好ましくないと私は考えています。

そうした誰もが発見できる安易な方法に頼っている限り、長期間にわたって検索エンジンで上位に表示させ続けるのは難しいと思ってください。

なぜならみんなが狙って書く記事コンテンツとなってしまうからです。そして狙われてうまれたコンテンツは皆同じような切り口、語りかけになります。

そして、同じような記事で埋め尽くされてしまうと検索ユーザーが「A」と言う言葉に価値を感じなくなり「A」を検索した後に「B」の言葉で検索をしなおすようになります。

検索エンジンは検索ユーザーがどの単語で初めに検索し、次にどの単語で再検索したのか、その解決に至るまでの検索語句や検索回数などを常に学習していますから、最終的に「A」で検索をかけたときに「B」が表示されるようになってきます。

つまり共食いのような現象が起きてしまいます。

これは前回の「共起語の使用は実はリスクが高い?SEO効果とサイトが飛んでしまうリスクについて」でもお話しした通りです。

キーワードに頼らない「周辺のキーワード」で検索ユーザーの心を掴む

では私たちは、どのようにコンテンツの作成と向き合っていけば良いのでしょうか?

これは非常に難しい問いで、状況によって変わると思いますがビジネス的に見れば答えはシンプルです。それは

「あなたのお客さんが必要とする情報が網羅されているコンテンツをつくる」

ただこれだけです。

例えばコンテンツを作成しているときに、あなたのお客さんのことを考えて作成すれば、この情報が欲しい人は、他にもこんなことに困っているはずだ、ここを詳しく解説してあげる必要がある、などの気持ちが湧き上がってくるはずです。

逆に私のお客さんは、こんな情報は必要ないと意図的に情報を削ぎ落とすパターンも出てくることでしょう。

その話題についてある程度「素養」がある人なのか、それとも全く「無知」な人なのかによってもコンテンツの内容や構成、語りかけ方は変わってくるはずです。

その問題を抱えている人は、どのような言葉で検索をするのか、他にどのような情報が必要とされているのか、どのような表現または文脈で語りかけてあげればわかりやすく伝えることができるのか、それらを悩み考え真剣に書き綴っていきます。

そうした姿勢であなたのお客さんに向けて、1つ1つコンテンツを丁寧に作成することが本当に大事だと思います。

その人の気持ちや立場になって考えることから始まり、そこからコンテンツの方向性を決めていき、言葉を紡いでいくことでしか、良質なコンテンツはできないと思って下さい。

あなたのお客さんにとって必要な情報であるかと言う視点

あなたのお客さんはだれか、そのコンテンツによってお客さんのどんな悩みを改善したいのか、どのような素晴らしい生活や未来が待っているのか、あなたのお客さんのことを考え抜いて1つのコンテンツに向き合ってください。

あなたが、何か問題を抱えていて、それを解決するためのヒントを探そうと検索をかける場面を常に想像してください。

検索結果として上位表示されたコンテンツが、くだらないコンテンツや役に立たないコンテンツであった場合、煩わしい思いをするはずです。

「何回も検索をかけているのにちっとも解決策が見つからない」
「どのような言葉で検索をかけても皆同じことばかり言っている」
「皆同じリンク先が貼られていてお金の匂いがする」

本当に良いコンテンツとは、そう言う煩わしさを感じさせないコンテンツです。

そして、そうしたコンテンツは独自性が生まれやすく、誰にも真似できないあなただけのオリジナルなコンテンツになりやすくなります。

常に目の前のお客さんと対話をしながらコンテンツを作成する

コンテンツを作る上で大事な視点は、目の前のお客さんと対話をしながらコンテンツを作成することです。

コンテンツを作成するときは、今、目の前にいる人はどんな人なのかを想像して、ときにはその人の気持ちになったり寄り添って語りかけるような思いで作成します。

良質なコンテンツは何かを突き詰めて考えたとき、結局は「あなたのお客さんは一体誰なのか?」を知ることでありそれ以上でもそれ以下でもないと言う結論に必ずたどり着きます。

目の前のお客さんはどのような言葉で検索をかけるのかを想像し、その言葉でたどり着いたお客さんがどのような情報が欲しいのかを考え、それに対してあなたの言葉で、あなたなりの解を提供することからビジネス上の信頼関係ははじまります。

そうした対話を通して生まれたコンテンツは、ディテールにあらわれ、表現、文脈などを含む「周辺のキーワード」が自然と表面に滲み出てきます。

コンテンツを作成するときは大切な人への手紙を書くような気持ちで向き合う

コンテンツを作成するときは、あなたの言葉で書いてください。

あなたの感情を文章に載せて書いてください。

上手に書く必要はありません。気持ちを乗せてください。

それは感嘆符をつければ良いわけではありません。また、感情的になって表現しろと言っているわけではありません。感情を文章に載せてその勢いを利用してください。

もしもどんな内容をコンテンツに盛り込むのが良いのかわからなかったら、その問題を抱えている検索ユーザーの気持ちになって検索してみてください。

何をコンテンツ内に含めれば良いのかがわかるはずです。

そうすれば自然と周辺キーワードが含まれたコンテンツとして表面に滲み出てあなたのお客さんが探し求める周辺キーワードを含んだコンテンツになります。

そうして制作したコンテンツはキーワード(単語)や共起語(同時に使用される単語群)が含まれ、さらに表現豊かなコンテンツとなり、検索エンジンにひっかかりやすくなります。

それが「周辺のキーワード」であり、関連キーワードにはない解釈の仕方となり、あなたのお客さんに届くオリジナルなコンテンツになります。

まとめ

一つの単語とってみても、解釈の仕方はたくさんあります。

「関連キーワード」や「サジェストワード」は、その「解釈の仕方」を切り取ってシンプルに表示してしまいます。

本当に必要なことはテクニカルなことではなく、お客さんを知ることであり、あなたのお客さんが望んでいる解決策を用意し、お客さんのレベルに合わせてわかりやすいように伝えることだと思ってください。

そして、それは「表現」であり「文脈」であり、私の中での「周辺のキーワード」だったりします。

昨今のビジネスは何かとお金儲けばかりに偏りすぎていますが、本来のビジネスはお客さんに価値を与えた対価として金銭を受け取る行為です。

先に金儲けありきではありません。

金儲けを否定するわけではありませんし否定する必要もありませんが、先に価値を提供するという順序を間違うと、方向性を見失ってしまい、バランスが崩れ、ビジネスとして成り立たなくなってしまいますので注意してください。

プロフィールの記事に書いたように、昨今のGoogleは非常に気まぐれですが、良いものは必ず残るんだと言う気概を持ってコンテンツ制作と向き合っていくことが、これからのウェブマーケッターには必要な心構えだと思います。

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