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アントニオ・ガウディ曰く「独創性とは起源に戻ることである」

最近、ふと調べ物をしていて、アントニオ・ガウディの言葉が目にとまりました。

私はアントニ・ガウディのことはある程度のことは知っているし、ガウディの名を知らない人でもサグラダ・ファミリアを設計した人といえば大抵は「ああ、あの人ね」とわかってもらえると思います。

そしてサグラダファミリアを知らない人でも、「100年くらい建築され続けてまだ完成していない建物だよ」というと「ああ、あの千葉にある!」とはならず(笑)、やはり「ああ、あの建物ね。それを設計した人なのね」とわかってもらえると思います。

いずれにせよ、調べ物をしていてふとした瞬間に目にとまったアントニ・ガウディ(またはアントニオ・ガウディ)の言葉が、私にとって様々なことを連想させる言葉であったことに違いはありません。

アントニ・ガウディ曰く「独創性とは起源に戻ることである」

アントニ・ガウディはこのように言っています。

“Originality is going back to origins.”
「独創性とは起源に戻ることである」

アントニ・ガウディ

ガウディは建築家ですが、設計をする上で自然のものを観察し、自然から多くのヒントを得ていたということで有名な人物です。

ガウディの建物は一見すると奇抜的で、どれもガウディが設計したとわかるほど曲線的でいて独創的な装いをしていますが、ガウディはそれらを自然からヒントを得た副産物だと言っています。

それはガウディの下記の言葉からも感じ取ることができます。

“Nothing is art if it does not come from nature.”
「自然に由来したものでなければ、それは芸術ではない」

この言葉が含み持つ意味には少し考えさせられるものがあります。

時代を超えて、なお心の奥底に訴えかける何かがある

もちろんガウディが生きた時代と現代では、それを取り巻く環境が違うため、この言葉が含み持つ意味は多少なりとも違ってくるでしょう。

またガウディはスペインのカタルーニャ地方出身であり、その土地土地を彩るカルチャーも違うように思います。

言語も違うので、ガウディが言う「自然」や「芸術」は私たちの思う「自然」や「芸術」ではない可能性もある。

それでもこの言葉には何か心を打つものがあるし、ひきつけるものがあります。

なぜなら私も何かヒントを得るのは自然に由来したものであったりするし、何かを突き詰めると、結局は同じところにたどり着くような気がするからです。

つまりもともとはバラバラだったものが同じところに帰っていくような不思議な感覚を覚えることがあります。

同業者と話していて「共感」できる人とできない人がいるのもそれが原因なのかもしれません。

>>>仕事人としての「共感」と「苦悩」について

私の考えるSEOも自然をヒントにしている

実はあまり言っていませんし、理解されるとは思えないのでおそらくこれからも積極的に語ることはありませんが、私のSEOに関する考え方や、物事に対する考え方も自然からヒントを得ていることが多くあります。

例えば、自然に上がってくる検索順位ではなく、無理に作為的に検索ランキングを操作し花を咲かせようとすると、枯れるのもまた早い。

それも自然を観察した結果と私自身の経験、周りをみて感じたことから来ています。

Googleの検索アルゴリズムは「natural」という概念を好みますが、何か自然に起きる現象の裏をかいたようなことをすれば、それは自然ではなくなります。

つまり、何か自然ではない部分で、そのコンテンツの価値を意図的に高めるような作為的なことをしたり、無理をして押し上げたものはSEO上長く上位にい続けることは難しい。

もちろんそうした方法でも、一時的な結果を得ることはできます。

ただ、そうした方法でランキングを操作したものは流行(はやり)のようなもので急に火がつき、一瞬で過ぎ去ってしまいます。

人為的かそうでないかは別として、それは一種の社会現象のようなもので、フルスロットルで目の前を走り去っていきます。

急に上がったものは、下がるのも早い。これもまた世の原理原則と言えるでしょう。

しかし、より本質をついた本物のSEOは、自然のままで、ゆっくりと評価され育っていくものだと思っています。

本当にゆっくりとじわじわと育つ。だから人事を尽くして天命を待つ。

実際私の作成したコンテンツも、多くのケースで結果が出るまで半年間くらいインターバルを設けています。

もうすでに育っているウェブサイトでは、早いものでは、本当にすぐ上位表示されることもありますが、フレッシュネスアルゴリズムの働かない領域でコンテンツをつくる場合は、およそ半年から1年くらいの期間を設けています。

そしてそうして育ったサイトやコンテンツは本当に息の長いコンテンツになります。

ほったらかし、放置したままで、時間をかけてゆっくりと地中に根をはるようにして、本当によく育ちます。

村上春樹も小説「スプートニクの恋人」で同じようなことを言っています。

「よくそだつものはゆっくりそだつ」

実際その通りだと思います。

すばやく育つものは枯れるのも早く、ゆっくりそだつものは長くもつ

米国の作家「Josia Gilbert Holland 1819~1881」も同じようなことを言っています。

「すばやく育つものは枯れるのも早く、ゆっくり育つものは長く持つ」

こうした昔の人が書いた言葉に触れるたびに、昔の人も、同じようなことを考えていたんだなと、妙に近しい存在として感じることがあります。

もしかしたら、そういう言葉に出会うことで、私は今昔の人と同じ感情を追って体験しているのかもしれない。昔の人と意識的な部分で対話をしているのかもしれない。そう感じることがよくあります。

生きた時代も違うし、育った環境も違うのに人間というのはどこかみんな奥深いところ、時代を超えて生物としての根本的な部分でつながっているんだろうなと思うことがよくあります。

起源に戻ることで人類が追い求めてきた確かな感触に出会う

話を戻しましょう。

ガウディは

「独創性とは起源に戻ることである」

と言いました。

そして次のようにつづけています。

世の中に新しい創造などない、あるのはただ発見である。
創造的たろうとして脇道にそれてはならない。
通常なされていることを観察し、それをよりよくしようと努力すればそれでよい。

この言葉から連想される通り、実はSEOの基本的でいて本質的なことは一貫しており何一つ変わっていません。

それはユーザーの役に立つコンテンツをつくること

Googleアルゴリズムは根っこの部分では、その言葉(検索語句)で検索した多くのユーザーの役に立つコンテンツを検索結果として上位に押し上げるように設計されています。

ただし、それは機械的に処理しているので、Googleに正しくわかるようにコンテンツを翻訳しGoogleにわかりやすいようにサイトやコンテンツを書き加えていかなければどんなにいいコンテンツを作成しても人々の目に止まることはありません。

そしてそこにSEO(検索エンジン最適化)としての技術が必要になります。

つまり、何が言いたいのかというと、Googleに評価されるためにはGoogleが定める一定のルールに則ってコンテンツを作成し、またコンテンツを整えていかなくてはならないのです。

またそれだけではいけません。

さらに、ユーザーにとってもわかりやすくする必要があり、その両輪をバランスよく調整していくこと。

それがSEOでは基本的でいて最も重要なポイントとなります。

そう、目新しいことは何一つないのです。

変わっているのはそれを取り巻く環境と、細かい評価軸、本質的なものは昔から何一つ変わっていません。

しかし、本質的なことを一貫して実行することは簡単なようで難しい。

多くの人にとって壮大な壁として立ちはだかるのです。

より原始的なものに創造主は宿る

ガウディの言った「独創性とは起源に戻ることである」は様々な解釈をすることができます。

私もガウディのいうように、新しい創造などはないし、そこにあるのはただの発見だけだと思います。

Facebookやインスタグラム、ツイッターなどのいわゆるSNSはテクノロジーを用いたサービスとしては斬新に見えるかもしれませんが、もとを辿れば日記(のようなもの)であり、それに出会いや共感の要素や人の本質的な部分での承認欲求などをプラスしたものに過ぎず特別目新しいことはありません。

あるのはただの発見だけで、視点の違いや、見え方の違い、もしくは見方の違いに過ぎません。

同じものでも、上から見るのか下から見るのかでは見え方が変わりますが、それに似たようなものだと思ってください。

SEO上の基本的な技術や要素は、もうすでに存在していて、確立しています。

そして最低限必要な道具もすでに出揃っています。

あとはそれを使うものの態度や姿勢、それに心の持ちよう、使い方、扱い方次第と言えると思います。

すでにレシピはある。

材料もある。

技術も確立されている。

あとはそれをどうやって調理するのかを考えるだけ。

本当にそれだけのように思います。

ただやり方はたくさんある。

方法論はたくさんある。

その中で、もしも迷ったら起源に立ち返ればいい。

そうやって前に進めば進むほど起源に立ち返ることで、結果として独創性を感じられるようになっていくようにも思います。

過去に戻ること、起源に立ち返ることで見えてくるもの、学べるものは想像以上に多い。

そしてそれを元にすることで独創的でいて創造的な何かが生まれてくる。

これはSEOに限った話ではないと思います。

実際私は最先端の技術よりも、より原始的でいてそのままのものや、過去のもの、過去の人に学ぶ機会は非常に多いように感じます。

それはもしかしたら「先人が長い時間をかけて培ってきた知恵を受け継ぐ先人との対話」とも言い変えることもできるのかもしれません。

原理原則を知りそれを徹底する

何をするにしても物事には絶対条件というものもあります。

それを行う上で、必ず守らなくてはいけない規則のようなものであり原理原則という言葉に置き換えることもできます。

つまりそれはものをこなす上での基本的なルールであり、そのルール外のことをしようとしても長く続くことはありませんし、うまくいくことはありません。

ときに独創的な物事の捉え方ができる型破りのような方があらわれますが、それは天才か、何も考えずに成した結果たまたまあたった人だけです。

そこに再現性はありません。

SEOでいえば大前提として、ユーザーが検索する言葉でユーザーにとって真に役に立つコンテンツを提供すること。

この一点をどこまでいっても守ることです。

これを大前提にして、技術的な要素が必要になります。

その上で、素材を刻んだり、茹でたり、火にかけたり、わざと焦がしたり、トッピングとしてSEO(検索エンジン最適化)という調味料をパパッとかけて味を整えていきます。

検索ユーザーのために、検索ユーザーの望んでいるコンテンツを用意し、そこに味付け(隠し味)としてSEOを施し、Googleアルゴリズムにもきちんとその味の深みが理解されるように味を整えていきます。

すると、同じ素材を扱っていて、同じメニューであっても、誰も見たことのない新しい料理が出来上がります。

チャーハンはどこまで行ってもチャーハンですが、それをつくる人の腕によって、見たことも感じたこともない仕上がりになるのです。

それは素材の問題だったり、火にかける時間、火の掛け方、鍋のふるい方、玉ねぎの刻み方からもう本当に細々としたことです。

そしてそれが技術的要素です。

これからの時代を生き抜いていくために

いうまでもなくテクノロジーは時代とともに進化します。

ですが、その根本にある人々の根源的な欲求や本質的なものは変わることはありません。

それを見抜く洞察力がこれからの時代には必要になってくるのではないでしょうか。

私はそう思います。

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