私の専門はマーケティングです。
それもウェブマーケティング、その中でもコンテンツマーケティングを専門としています。
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このマーケティングというのがややこしくて、私は最近まで自分の専門とするところをマーケティングというものの、マーケティングは如何なるものかを説明するのが非常に苦労していました。
ビジネスに携わる人であればなんとなく感覚的にマーケティングというのはどのようなものなのかをわかっていただけるのですが、一般の方に説明するのは非常に難しい。
私の語彙力のなさや頭の悪さからくるものなのかもしれませんが、マーケティングを説明しようとするとなかなかに複雑で難解なこたえになってしまうこともあります。
実際、市場調査?販売促進?顧客創造?集客?広告宣伝?プロモーション?データ分析?効果検証?マーケティングを彩る言葉はたくさんあります。
けれどもこれはマーケティングの全体の一部を切り出し編集した言葉に過ぎないし、どれも本質的とは言えません。
そうではなく、もっと包括的で、それでいてわかりやすい言葉はないのか、マーケティングに携わっているものでありながら、それを説明しようとすると途端にわからなってしまうことばかりでした。
けれどもとある番組を見ていて、これは解決されることになります
目次
マーケティングとは「勝手に売れる状況」をつくること
私が、撮りためているテレビ番組の中に「カンブリア宮殿」という番組があります。
この番組確かに良い番組だとは思うのですが、最近は企業礼讃の企業広告の匂いが強く、あまり積極的にみる機会を失っており、たまに時間ができた時に片手間に視聴する・・・というよりも何か他のことをしながら頭を休めたい時に音楽の代わりに聴いて仕事をしたりと言った見方をしていました。
どうしても、およそ1時間も時間もかけて企業広告を見る気にはなれないからです。
そんな中、久しぶりに手を休め、真剣に言葉に耳を傾けたのは久しぶりの体験でした。
それが株式会社刀の森岡毅さんの回です。
そして、森岡さんはマーケティングの使命を「勝手に売れる状況をつくること」と言っていました。
カンブリア宮殿で森岡さんが語っていたこと
森岡さんは番組でマーケティングとは何か問われた際に下記のように語っています。
「市場価値をつくる仕事」だと思います。よくあの〜、「調査」とかですですね「広告手法」、その部分部分も確かにマーケティングの一部ではあると思うんですけども、本当はもっともっと大きなもので「売る」というよりも「勝手に売れるようにする」、より楽ちんにものが売れていくこの状況をつくる、つくり上げるのが、たぶん、マーケティングに一番重要な使命かなと思っていますね。
株式会社刀 森岡毅 カンブリア宮殿(2021年8月19日放送の回)より
マーケティングとは「勝手に売れる状況をつくること」。
まさしくそうだと思います。
マーケティングの使命は「勝手にものが売れているく状況をつくること」にあるし、マーケティングを彩る言葉の全てはそこに帰結します。
結果として市場創造になるし、その過程でデータ分析が必要になったり、販売促進が必要になるだけです。
私の場合は、ウェブを専門としているだけで、結局どこまで行っても行き着くところは「勝手にものが売れていく状況をつくること」に他なりません。
どうしたら勝手に売れていくのか、その施策を企画し実行すること
じゃあ具体的にどうやって勝手に売れていく状況をつくるのか?その仕組みをつくるために市場調査があり、販売促進があり、広告があります。
つまり全てのマーケティングにおける計画はどうやったら勝手にものが売れていく状況をつくり出すことができるのかを企画するところにあります。
なぜ、消費者はその商品を買うのかを突き詰めると自然と答えが出てくる
また森岡さんはマーケティングのひとつの側面として「企業が気付いていない価値」を消費者に見せるということも番組内でお話ししていました。
その上で、消費者がなぜその商品を買うのか。
これはマーケティングを彩る言葉の一つとしてそこにあり、市場調査や市場分析という言葉に置き換えられていたりします。
その理由を知るには、一番の方法は、その人になること。
つまりその市場に実際に身を置き、自分が感じることは何かを学ぶ、そうして身を置いてこそはじめて変わることがある。
極論すれば、マーケティングに必要なことは、市場にいるその人になり切ることです。
というかそれなしではマーケティングという仕事はできない。
だからそもそもの始まりは「興味」や「関心」ひらたくいえば「好奇心」であり、マーケッターにそれがないと所詮は絵に描いた餅になってしまう側面があります。
それがマーケティングの難しさなのです。
企業に属することなく自由に生きていきたいならマーケティングを学ぶべき
私は思いますが、特定の企業に属することなく個人の力で生活できるような力をつけたいのであれば、SNSや時代が変われば使い物にならなくなるその場しのぎの浮ついた広告手法ではなく、もっと本質的な意味での「マーケティング」を学ぶべきだと思います。
でも逆説的ですがマーケティングは勉強しても身につくものではないとも思います。
マーケティングの本質的な部分には物事に関する強い「関心」と「洞察力」が必要になります。
だからこそ、そこに「興味」や「好奇心」がないと、ただのお勉強で終わってしまい、極めて学術的でいて一般的な学問としてのマーケティングになってしまったり、現場では役に立たない机上の論理になってしまうように思います。
すべての答えは現場に落ちているとは、昔から言われることですが、マーケティングもしかりで、現場に身を置き実際にやりながら覚えていくしかありません。
いつも雲を掴むような思いで、現場に落ちている事象を分析し、特定の市場に流れている共通のものを抜き出し、消費者が言葉にできない底に沈んだ思いを表面に浮き上がらせ、消費者にわかるようにデザインしていく。
そして消費者が常日頃から抱えている「言葉にできない何か」が表面にあらわれ、伝わった結果として勝手にものが売れるようになる。
それがマーケティングです。
決して学問として勉強して学ぶことではありません。
マーケティングは現場に身を置き肌で感じて覚えていくもの
今は学術的なマーケティング理論は腐る程ありますし、その手法も非常に細分化しているきらいがあります。
研究している人が多すぎるのか独自の理論として掲げ自分の理論だという人が多すぎるのかはわかりませんが、何しろマーケティングを彩るものの数が多すぎるのです。
実際、私も学術的なマーケティングについてそれほど詳しいわけではありません。
だから、おかしなことだと思われるかもしれませんがマーケティングを専門としている人と話しても、その言葉の意味が理解できないと言ったことは往々にしてあります。
特に時代の最先端の話をされる場合、最新のマーケティング用語はわからないことが多いです。
でも、それでも多くの方が言っていることはわかります。
じゃあなんでマーケティング用語がわからない状態でもわかるのかといえば、それはマーケティングにおける全ての答えはいつも現場に落ちているからです。
要するに私は学術的なもので学んでおらず、現場に落ちているそのもので学んでいるに過ぎません。
「言葉を持たない何か」として、確かにそれはそこに存在しているものの「言葉を持たない何か」のためそれが何かわからず、そういうものがあるのだとしていつも理解しています。
現場で起きる現象を感覚的に処理して学び、後からその現象の言葉としての意味を知ると言ってもいいかもしれません。
私にとって、後から聞くマーケティング用語などの専門用語、言葉はその現象を説明するものに過ぎません。
人に説明をするのが難しいのも、こう言ったことからでもあります。
つまり先に名前があるのではなく、私の場合は先に経験をして、後からそこにあった現象としての「言葉を持たない何か」の意味を知ることになっているのです。
たぶん、マーケティングにおいては、全ての現象は言葉を持たない何かとして、そこに存在しているもので、後からその現象に名前がつけられたに過ぎないのでしょう。
私には少なくともそう感じます。
経済学を学んでもお金持ちになれないのと同等でマーケティングを学んでもマーケティングは理解できない
私が大学生の頃、経済学部の教授に言われたことがあります。
これは当時の私にしてみれば非常に衝撃的な一言でした。
「経済学を学んでもお金持ちにはなれない。あくまで経済学は学問であり、経済学を学んだところでお金を儲けることはできない。むしろ貧乏だ」
もちろん、冗談半分で皮肉が込められているのだとは思いますが、それでも当時の私にとっては非常に衝撃的な言葉でした。
当時の私は経済学を学べば、経済的な面で世の不条理を解決できると思っていましたし、その一貫を担うために経済学部に入学しました。
けれども、この一言で私の考えは180度変わってしまいました。
マーケティングは極めて感覚的でいて感情的なもの
森岡さんはカンブリア宮殿の番組内でマーケティングについて下記のようにもお話ししていました。
マーケティングの中で一番重要なのは消費者・顧客を理解して「彼らが何を欲しているのか」を理解した中からしか仮説は生まれてこない。仮説はなんなのかって「何が売れるかな、何があたるかな、どうすればお客さんが喜ぶかな」これを数式はくれないんですよ。
マーケターが一番大事にしていることはなんなのかというと消費者すらも言葉にできない、説明できないなぜ自分がその商品を買っているのか、その本質をですね、消費者の行動から洞察する能力です。
仮説を生み出せない人が数式だけを使ってても、売り上げを伸ばすことができないんですよ。両方がいて、まさに車の両輪ですよね。
その通りなんです。
まず初めに、マーケター自身にそれに関する極めて高い飽くなき好奇心がないと、全ての論理は破綻してしまいます。
仕事を引き受けるのも、仕事を断るのも、そして仕事で結果を出すのもマーケター自身の性根が大きく関係しています。
だから、私よりも優れた人が私の得意とする市場で結果を出すことができなかったり、私がなかなか結果を出せない市場で、パッとでの新人マーケターが結果を出すことができたりします。
この現象を不条理と呼ぶのかどうかは極めて難しいところですが、実際マーケティングにはそういう側面もあるのだということを覚えておいて損はないと思います。
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